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「で、用って何かしら。手短に頼むわね。」 リナにとって、この学園最大の謎であるオール・セインツの一アトミック・キトゥンは、本棚に軽くよりかかって聞いてきた。 「あ、あの…。なぞです。謎。神社の。星見祭の!」 リナは懇願するような目を向けて、必死になって説明した。 実は、エコに言われてすぐにフィンに会いに行ったが、まったく相手にしてもらえなかったのだ。その上キトゥンに断られてはもう頼る相手はいない。 …セーラ先輩はちょっと変だったし、エコ先輩は風邪だし、フィンさんはつめたいし。その上頼みのティーナは留守。今日に限って、こんなのって酷い。 リナが泣きたい気分になっていたその時、キトゥンの溜息交じりのつぶやきが聞こえてきた。 「…願い人の結界。もうそんな時期なのね。」 「えっ、あの神社の結界は願い人って人が張ったんですか」 …あれ、願い人って、つい最近どこかで聞かなかったかなぁ。 リナが一生懸命思い出そうとしていると、 「願い人が張ったわけではないのよ。第一、そんな力があったのならこんな面倒なことにはならなかったのよ。…話がそれだけなら、私はいそがしいのでもう行くわね。」 なぜか不機嫌になってしまい、さっさと図書館の入り口の方へ歩き去ってしまった。 「もう、今日は一体どうなっているの。みんなの意地悪!」 リナは場所も忘れて思わずそう叫んでいた。 再び周囲の生徒の白い目が向けられた。 耳がキーンとするような冷たい空気。 淡くつもった雪。 あたり一面すっかり冬の景色になっている。 校庭に人影はない。 そんな中リナは一人、コートにマフラー、手袋という重装備で歩いている。 「図書館にもいられなくなっちゃった。こうなったら私一人で謎を解いて、みんなをあっと言わせるんだから。」 それにはまず、その結界というものを見に行かなくては…。 窓から見ても神社の周りには何もみえなかった。あたりまえだが、何らかの力で張られていて目には見えないものなのだろう。だが、触ることぐらいはできるはずだ。 「でも、バチッとかいったら嫌だなー。痛いのかなー。」 一人ぶつぶつ言っている内に、学園の東端にある神社が見えてきた。 「はぁ、そもそも私が知りたかったのは流星群の願い事のことなのに、どうしてこんなことになっちゃったの−。」 溜息をついてさらに歩いていき、ふと気配がしたので顔をあげると、もう目の前が神社で、リナはぶつかりそうになっていた。 「…結界なんてどこにもないじゃない。」 念のために、恐る恐る手を伸ばしてみた。手は、何にも阻まれることなく神社の壁や、柱に触れる。 「どうなってるの!」 今日何度目かの溜息をつき、リナは小さな入り口の扉に手をかけた―― |