目次はじめに登場人物世界観等学園行事執筆仲間MLについて掲示板

No.01/NO.02/No.03/No.04/終・前/終・中/終・後

「で、用って何かしら。手短に頼むわね。」
 リナにとって、この学園最大の謎であるオール・セインツの一アトミック・キトゥンは、本棚に軽くよりかかって聞いてきた。
「あ、あの…。なぞです。謎。神社の。星見祭の!」
 リナは懇願するような目を向けて、必死になって説明した。
 実は、エコに言われてすぐにフィンに会いに行ったが、まったく相手にしてもらえなかったのだ。その上キトゥンに断られてはもう頼る相手はいない。
 …セーラ先輩はちょっと変だったし、エコ先輩は風邪だし、フィンさんはつめたいし。その上頼みのティーナは留守。今日に限って、こんなのって酷い。
 リナが泣きたい気分になっていたその時、キトゥンの溜息交じりのつぶやきが聞こえてきた。
「…願い人の結界。もうそんな時期なのね。」
「えっ、あの神社の結界は願い人って人が張ったんですか」
 …あれ、願い人って、つい最近どこかで聞かなかったかなぁ。
  リナが一生懸命思い出そうとしていると、
「願い人が張ったわけではないのよ。第一、そんな力があったのならこんな面倒なことにはならなかったのよ。…話がそれだけなら、私はいそがしいのでもう行くわね。」
 なぜか不機嫌になってしまい、さっさと図書館の入り口の方へ歩き去ってしまった。
「もう、今日は一体どうなっているの。みんなの意地悪!」
 リナは場所も忘れて思わずそう叫んでいた。
 再び周囲の生徒の白い目が向けられた。

 耳がキーンとするような冷たい空気。
 淡くつもった雪。
 あたり一面すっかり冬の景色になっている。
 校庭に人影はない。
 そんな中リナは一人、コートにマフラー、手袋という重装備で歩いている。
「図書館にもいられなくなっちゃった。こうなったら私一人で謎を解いて、みんなをあっと言わせるんだから。」
 それにはまず、その結界というものを見に行かなくては…。
 窓から見ても神社の周りには何もみえなかった。あたりまえだが、何らかの力で張られていて目には見えないものなのだろう。だが、触ることぐらいはできるはずだ。
「でも、バチッとかいったら嫌だなー。痛いのかなー。」
 一人ぶつぶつ言っている内に、学園の東端にある神社が見えてきた。
「はぁ、そもそも私が知りたかったのは流星群の願い事のことなのに、どうしてこんなことになっちゃったの−。」
 溜息をついてさらに歩いていき、ふと気配がしたので顔をあげると、もう目の前が神社で、リナはぶつかりそうになっていた。
「…結界なんてどこにもないじゃない。」
 念のために、恐る恐る手を伸ばしてみた。手は、何にも阻まれることなく神社の壁や、柱に触れる。
「どうなってるの!」
 今日何度目かの溜息をつき、リナは小さな入り口の扉に手をかけた――

次へ

目次へ