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「ティーナ、居るかい?」
 キトゥンの声と共にノックの音がなり、室内の空気が一瞬固まってしまった。
「……噂をすれば影ね」
 ティーナがとりあえず扉を開けた途端、笑みと共にはしゃいだ声が披露される。
「行方不明の彼女の件だけどね、……って、ああ、お客さんが居たのね、すまない」
「いいのよ。三人とも、彼女を助けるために協力してくれてるの」
 その声に、エコとセーラは多少複雑な表情になってしまったが、キトゥンは気づいた様子もなくうなづいた。
「それは頼もしいわ。実は今回の件については、オール・セインツが全面的に協力することになってね」
「そ、そう」
 とんでもないことを聞かされたような気がするが、かろうじてティーナは相づちを打てた。
「まあ、彼女はダイナ学園の生徒で、私たちは生徒会だから、ということで何とか説得したのよ」
「はあ」
 感心したような声を出したリナが一番落ち着いて見えたのか、キトゥンは彼女の方を見て訊いた。
「ここでは、何か手がかりになりそうなものはみつかった?」
「あ、はい。その人が、禁断の魔法に関わっていた人のことについて調べてたんじゃないか、っということをマシュー先生が知っておられるんじゃないか、っと」
 キトゥンの口からうめくような声が漏れた。
「……禁断の魔法について研究していた人の調査ね」
 明らかに躊躇する雰囲気になったキトゥンに、ことさら挑発的な口調でセーラが宣言した。
「わたくしたちも、彼女と同じ事をするつもりでいますの」
 エコは、セーラの方に向きなおって止めにかかる。
「まだ、そうとは決めてないじゃないか」
「だったら、他にいい方法でもあるんですの」
「だからって、同じ事をして同じように行方不明になってもしょうがないだろ」
「――そして、行方不明になってしまえば、オール・セインツや教師たちが総がかりで調べても、位置さえ分からないかもしれない。18年前もそうだったはずだからね」
 鋭く指摘するキトゥンの台詞に、再度室内の空気が凍り付いた。
 一方、そう言いながらもいまだに笑みを浮かべているキトゥンに、ティーナは違和感を感じていた。
 なにか、無理してはしゃいだ様子を見せてる気がするわ。それに、行方不明の生徒をオール・セインツが探すために説得する必要が会ったの?――あるいはそれだけ危険なことなのかもしれない。

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