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「…それで、これがどうしたんですか?」 「分からないんですの?」 セーラに問い返されて、リナは首を傾げた。 「でも、この詩…」 そう言って、エコは『失われた魔法は 今 解き放たれる』という行の、次の行を指差した。 おそらく何か書いてあったのだろうが、かすれて読めなくなってしまっている。 この詩を見た時から、エコは何かを感じていた。 不安。心配。悪い予感。かすれてしまっている行の所に、とても大切なことが書かれているような気がした。 …あくまで、予感だったが。 「ここが読めないよ。何て書いてあるんだろう?」 「そんなに大したことは書かれていないと思いますわ。…それより、エコ。あなたはこの詩を見て、どう思いますの?」 突然問われて、エコは戸惑った。 「どうって…」 「この、最初の4行の意味は分からないのですけれど…。おそらく、『大地に 水に 感謝せよ/神々に 精霊に感謝せよ』というのは、収穫感謝祭のことを表している はずですわ」 「そっか! …でも、収穫歓喜祭っていう可能性はないんですか?」 収穫感謝祭は、精霊や神々に祈とうをささげる祭り。それに対して、収穫歓喜祭は祈とうをささげたりする訳ではない。どちらかといえば、人々の娯楽のために行われるものである。 「でも、収穫歓喜祭は、感謝するっていう感じじゃないよね。娯楽的なものだし。…だとすると、これは収穫感謝祭のことを表している。単純な考えかもしれないけど、大体そういうことだろ?」 珍しく、エコがセーラの意見に賛成した。 満足げにほほえんで、セーラが口を開く。 「エコもやっぱりそう思うんですの?」 「う、うん。でも、この扉とか門っていうのは?」 何だか、今日のセーラは変だ。妙に機嫌が良い。何か起こる前兆だろうか。 そんなことをエコが考えていると。 「エコ、どうかしたんですの?」 「…何でもないよ」 「まぁ、良いですわ。それで、この『失われた魔法』というのは、古の大魔法のことだと思うんですの。開かずの間に何があるか…知っていて?」 「はいっ! 封印された古書です。禁断の魔法書とかが眠っているんですよね?」 「セーラ? 君、まさか…」 怯えながら尋ねるエコに微笑みかけると、セーラは胸を張って言った。 「開かずの間に入り、古の大魔法を手に入れるのよ! |