目次はじめに登場人物世界観等学園行事執筆仲間MLについて掲示板

No.01/NO.02/No.03/No.04/No.05/No.06/No.07/No.08/No.09/No.10
/No.11/No.12/No.13/No.14/No.15/No.16/No.17/No.18/No.19/


『常に物事には表の顔と裏の顔がある
 表の顔が華やかで煌びやかであればあるほど
 人々がそれに心を奪われれば奪われるほど
 裏の顔との隔たりはその距離感は遠くなる

 大地に 水に 感謝せよ
 神々に 精霊に 感謝せよ
 門は開くだろう
 扉は開くだろう
 失われし魔法は 今 解き放たれる
  ・・・・・・』

「…それで、これがどうしたんですか?」
「分からないんですの?」
 セーラに問い返されて、リナは首を傾げた。
「でも、この詩…」
 そう言って、エコは『失われた魔法は 今 解き放たれる』という行の、次の行を指差した。
 おそらく何か書いてあったのだろうが、かすれて読めなくなってしまっている。
 この詩を見た時から、エコは何かを感じていた。
 不安。心配。悪い予感。かすれてしまっている行の所に、とても大切なことが書かれているような気がした。
 …あくまで、予感だったが。
「ここが読めないよ。何て書いてあるんだろう?」
「そんなに大したことは書かれていないと思いますわ。…それより、エコ。あなたはこの詩を見て、どう思いますの?」
 突然問われて、エコは戸惑った。
「どうって…」
「この、最初の4行の意味は分からないのですけれど…。おそらく、『大地に 水に 感謝せよ/神々に 精霊に感謝せよ』というのは、収穫感謝祭のことを表している
はずですわ」
 「そっか! …でも、収穫歓喜祭っていう可能性はないんですか?」
 収穫感謝祭は、精霊や神々に祈とうをささげる祭り。それに対して、収穫歓喜祭は祈とうをささげたりする訳ではない。どちらかといえば、人々の娯楽のために行われるものである。
「でも、収穫歓喜祭は、感謝するっていう感じじゃないよね。娯楽的なものだし。…だとすると、これは収穫感謝祭のことを表している。単純な考えかもしれないけど、大体そういうことだろ?」
 珍しく、エコがセーラの意見に賛成した。
 満足げにほほえんで、セーラが口を開く。
「エコもやっぱりそう思うんですの?」
「う、うん。でも、この扉とか門っていうのは?」
 何だか、今日のセーラは変だ。妙に機嫌が良い。何か起こる前兆だろうか。
そんなことをエコが考えていると。
「エコ、どうかしたんですの?」
「…何でもないよ」
「まぁ、良いですわ。それで、この『失われた魔法』というのは、古の大魔法のことだと思うんですの。開かずの間に何があるか…知っていて?」
「はいっ! 封印された古書です。禁断の魔法書とかが眠っているんですよね?」
「セーラ? 君、まさか…」
 怯えながら尋ねるエコに微笑みかけると、セーラは胸を張って言った。
「開かずの間に入り、古の大魔法を手に入れるのよ!

次へ

目次へ