目次/はじめに/登場人物/世界観等/学園行事/執筆仲間/MLについて/掲示板
| No.01/NO.02/No.03/No.04/No.05/No.06/No.07/No.08/No.09/No.10 /No.11/No.12/No.13/No.14/No.15/No.16/No.17/No.18/No.19/終 |
食堂には、あまり生徒の姿はない。明日の収穫感謝祭、そして明後日の収穫歓喜祭の準備で忙しいのだろう。その上、今は昼食には少し早い時間でもある。 しかし、そのおかげでセーラ達は窓際の特に眺めの良い席を陣取ることができた。 「あのさ、セーラ…」 スープを落ち着かなげにかき混ぜながら、エコが切り出した。 エコの真正面に座るセーラが何ですの、と答える。 「ちょっと思ったんだけど、…開かずの間は本当に開くのかなあ」 「エコ?あなた、わたくしの言うことを信じていないんですの?」 その威圧感におされてか、スープをかき混ぜる手がぴたりと止まる。 「信じてない訳じゃないよ、ちょっと思っただけだって! その…嫌 な予感がするからさ」 嫌な予感。 それは、あの詩集を見たときからずっと続いていた。いや、それより前からだったのかもしれない。そしてその予感は、収穫祭が近づくにつれて確信になりつつあった。 「何かよくないことが起こりそうなんだ」 「大丈夫ですよー、エコ先輩! 心配しすぎですってば」 能天気なリナの声も、エコの不安を吹き飛ばしてはくれなかった。 「リナの言う通りですわ、エコ。…それだからあなたは」 「背が伸びないのよ、って言いたいんだろう。余計なお世話だよ」 お決まりの台詞を遮って文句を言うと、セーラが悪戯っぽく笑った。 「あら、セーラ達じゃないの! 準備は順調かしら!?」 ふいに耳に飛び込んできた、リナに負けず劣らずの能天気な声は、ティーナのものだ。収穫祭が迫っているからだろう、普段よりかなりテンションが高い。 そういえば、ティーナは大のお祭り好きだったっけ。毎年、派手な衣装で楽しませてくれるけど、今年はどんな衣装にしたんだろう…。 セーラへの密かな抵抗もあえなく失敗したエコは、仕方なく別のことに思いをはせようとしていた。 このまま開かずの間のことばかり考えていてもらちがあかない。それに、考えれば考える程、悪い結果しか浮かんでこないのだ。 「ええ。明日が楽しみですわね」 「そうねー、めいっぱい楽しまなくちゃね! それじゃ、私まだ準備が残ってるから。じゃあねー」 相当浮かれているティーナを見送ってから、セーラはエコに向き直った。 「心配はいりませんわ。雪見祭のときのことを覚えていて? あのときのようにわたくし達は“おとぎ話の主人公”なんですのよ」 何だか違う気がするけど、と反論するのはやめておいた。結果は見えている。 「雪見祭のときって?」 不思議そうに尋ねるザブレフに意気揚々と説明し始めたセーラの声を聞きながら、エコはぼんやりと窓の向こう側を見た。 気持ちとは対照的な青空を見て、何だか悲しくなったエコだった。 |