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 セーラの意味ありげな言葉にエコは思わず眉をひそめた。
 なぜ彼女はこんなにも固執しているのだろうか?
 ふと、疑問が頭をよぎる。
 彼女は熱くなりすぎてはいないだろうか? 何が彼女をここまでさせるのだろうか?
 一旦悩み始めると次々に疑問符が溢れてきた。
 最近のセーラはよく分からないし、意図が掴めない。
 はぁ、とエコがため息をついた時。
「あ、分かりました!」
 唐突にリナが叫んだ。
「これは、私達に余計なことをさせないための陰謀なんですね!?」
 早口でそうまくしたてる。水色の瞳は好奇心でキラキラと輝いていた。
「そうよ。リナは察しがいいわね」
 セーラに褒められて、リナはほんの少し頬を赤らめた。
「どういうことだ?」
 先程から押し黙っていたザブレフが今日初めて口を開いた。
 それはエコも同じ気持ちだった。何が何だかさっぱり分からない。
「いいですこと? 私の推測通りならば、今日は開かずの間の封印を解くことができる、唯一の日」
「でも、学園側にしてみれば、それは困ったことじゃないですか。だって、もし生徒が勝手に開かず間に入って古の大魔法を手に入れたら?」
「あぁ…それで、食事も質素だし、学園の魔法力も弱まるのか」
「その通りですわ。私達が差し出たマネをしないように…」
 ザブレフはなるほど、と頷いた。
「それにしても、学園ぐるみで開かずの間のことを隠そうとしているなんて、よほど危険なものでもあるのかしら?」
「わぁ、どんなものがあるんでしょうね!」
 セーラとリナはうっとりと目を細めた。
 開かずの間。古の大魔法。数々の謎。
 確かに神秘的ではあるけど…。
 エコはぼんやりとそう思った。
 もし自分が大魔法を使えるようになったなら、それはどんなにすばらしいことだろう。
 しかし一方でそれには危険が伴う。結果に相応のリスクは必ず冒さなければならないからだ。
「あら、もうこんな時間ですのね」
 食堂の時計を見上げて、ふとセーラが呟いた。時刻は午前8時を過ぎた
ところだ。  続いて彼女は警戒するように辺りを見回した。
「こうしてはいられませんわ。さぁ、図書室へ参りますわよ」
 声をひそめてそう囁く。悪戯っぽい微笑みに、エコは何だか不安になった。
「え、もう行くんですか?」
「当たり前ですわ。何事もはやめに行動することが大事なのよ」
「そっか、そうですよね。さっすがセーラ先輩!」
 やる気満々、といった様子でセーラとリナは席を立った。
 その後にザブレフも渋々続く。
 エコは複雑な思いを抱きながらも、その後を追った…。

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