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「エコ、ザブレフさん!何をぐずぐずしてるんですの!?」
 すでに扉に手をかけているセーラがイライラとそう言った。
 その声で、2人同時に現実に引き戻される。
 そう。今は後のことを考えて恐れている場合ではないのだ。
 この扉の向こうに待っているモノ。
 そこにあるのは、セーラの言う通り古の大魔法か。それとも、もっと別の…何か。
 それが良いものであるのか、悪いものであるのかさえも分からない。
「…行こ、っか?」
 ちら、とセーラを見ながらエコは小さく呟いた。
 多少の憐れみを含んだ目でキトゥンを見ながら、ザブレフが頷く。オール・セインツは彼の天敵ではあるが、ここまでされたキトゥンを見ると、同情心もわくというものだ。
「2人共、良いですわね?」
 重い足取りで扉の前まで辿り着いた2人に、緊張した感じのセーラが尋ねた。
 エコとザブレフは渋々頷く。
 セーラはゆっくりと扉に手をかけた。
 ギィ、と音をたてて扉が開き、…次の瞬間、辺りは光に包まれた。


「先輩たち、どうしたんだろう…?」
 見張りを頼まれたリナだったが、糸電話から何の連絡もないことに不安を感じ始めていた。
 うまくいったにせよ、失敗したにせよ、何かあったのならばセーラが伝えてくるはずだ。
 不安が募り、糸電話をぎゅっと握り締める手に力を込めた。
 あれからどれくらい時間がたったか分からない。しかし、見たところ誰かが図書室に来る気配はない。
 リナは意を決して、図書室に入ってみることにした。
 扉を開き、そっと室内へ足を踏み入れる。
 図書室の中は静かだった。自分の足音と呼吸だけが、やけに大きく響く。
   いつもと違う感じがするのは、感謝祭の日だからか。それとも。
 追いたてられるような焦燥感を感じながら開かずの間へと急ぎ、そして。
「…えっ?」
 リナが見たものは。

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