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「やれやれ。困ったことになったわね・・・」 深いため息をついて、キトゥンは書架にもたれかかった。 フィンはつい先程、出ていってしまっていた。 キトゥン以外誰もいない図書館で、彼女は2度目のため息をつく。 「感謝祭なんて、よりによってこんな忙しい時期に…。あぁ、何てこと」 「何か悩み事でも?」 ふいに後方から声をかけられ、キトゥンは慌てて振り返った。そこに立っていたのは・・・司書のティーナ。図書館にはキトゥン以外、誰もいなかったはずなのだが…、一体いつからいたのだろうか。 キトゥンが戸惑っていると、ティーナは悪戯っぽく笑った。 「私の気配に気付かなかったなんて、相当悩んでるみたいね?」 「…ええ。感謝祭のことで、ちょっと」 「そう。…ふふ、もうすぐ感謝祭、そして歓喜祭だったわね。楽しみだわ。キトゥンは楽しみじゃないの?」 にこにこしながら尋ねるティーナの姿を見て、キトゥンは脱力感を覚えた。 「…ティーナ、浮かれすぎは良くないわ」 「あら、浮かれすぎてたかしら。でも、お祭りなんだもの。派手にパーッとやらなきゃ!」 「そうね…。でも、感謝祭は厳かに行うものよ」 フィンもティーナも呑気すぎるわ…。 そう思いながら、キトゥンは3度目のため息をつき、ティーナは彼女のそんな様子に気付くこともなく、感謝祭のことをあれこれ考えていたのだった。 一方、セーラ達は夕食後、図書館へ向かっていた。 エコは即座に自分の部屋へ帰ろうとしたのだが、あえなく失敗し、セーラにつかまってしまった。 リナは、自分から一緒に行きたいと言った。 「セーラ、僕、課題をやらなくちゃいけないんだけど…」 「それでしたら、後でわたくしのを写せば良いわ」 「……」 「エコ先輩、どうしてそんなに図書館へ行きたくないんですか?」 リナが不思議そうに尋ねると、エコは困ったように笑った。 「何だか、嫌な予感がするんだ」 昼間、図書館で開かずの間が題材の詩を見たときに感じた、あの予感と同じ。 「気にすることないですよ!」 「うーん…」 リナが励ましたが、エコは曖昧に頷くだけだった。 「リナの言う通りよ。気にすることありませんわ。…それとも、エコ?あなた、わたくしと一緒に行くのがそんなに嫌なんですの?」 「そっ、そんなことないけど…」 どうしても図書館へ行きたくないらしいエコを、半ば引きずるようにしてセーラ達が歩いていると。 「こんな時間に、どこへ行くつもり?」 後方から声をかけてきたのは、ティーナだった。 少し驚いた様子で、セーラが口を開く。 「ティーナさん! ティーナさんこそ、どうしたんですの?」 「私? 図書館へ行くところ。忘れ物をしてきちゃって」 「わたくし達も図書館へ向かっているところですわ。ちょっと調べたいことがあるんです」 「だったら一緒に行かない?」 にっこりと笑ってそう言ったティーナに、セーラも微笑んで頷いた。 |