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三人の足音が消えたのを確認してから、キトゥンは話を再開した。 「さて、どうしたものか…。今すぐに!でも止めるべきか? あるいは…」 問われた相手は面白そうな視線を尋ねたキトゥンに投げ返していた。 キトゥンは書架に寄りかかりながら、脚立の上のそのコバルトブルーの瞳を見返す。フィンより4cmばかり身長の高いキトゥンである。彼を見上げるのはこれでニ度目になると思いつつ。 三人の会話を二人は故意に盗み聞きするつもりはなかった。キトゥンがフィンを見つけて、まさに用件を話そうとしていた時にセーラの声が聞こえてきたのである。どうやら図書館は相談話にはあまり向かないようである。彼らはセーラ達と書架を2つばかり隔てた位置に相対していた。 「追っかけるなら、今すぐに! 行った方がいいと思うけど」 悪戯を促がすかの様にフィンが言った。 セーラ達はそろそろ夕食の時間なので、彼女の話が一段落済むと図書館を後にしていた。夕食間近のこの時間帯――図書館には人気が極端に少なくなる。 キトゥンがきっぱりと言う。 「いいわ。あなたの方の用件が先だし…」 「キトゥン、今度の感謝祭は楽しいものになりそうだね」 どうやらこの件に関して、フィンは高見の見物と洒落こむことに決めたようである。 だが、キトゥンはというと…、そうもいかない。オール・セインツがそれを認めないであろうから。よりにもよって、オール・セインツの広報としてやるべきことが山ほどある感謝祭期間中にである。 キトゥンはやれやれと心の中で溜息をついた。事の発端はいつもセーラである。そして、事を複雑にし、かき回してからませるのも……。 |