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「あぁ…何てことに…」
 嘆きながらエコはがっくりとうなだれた。
 1度火が付いてしまうとセーラは止まらないし、誰にも止めることができない。これからのことを考えると、ひどく頭が痛んだ。
「先輩、そんなこと勝手に決めないでくださいよー!」
 リナも必死に反論している。
 しかし、セーラは全く聞いていない様子で、
「…それで? わたくしの条件を飲んでくださるかしら?」
 と、ザブレフに詰め寄った。
 ザブレフは戸惑いながらも首を横に振る。
「そんなこと言われても…。第一、リナに迷惑が」
「リナ、そんなことありませんわよね?」
 ザブレフの言葉を遮って、セーラが笑顔で問い掛けた。
 琥珀色の瞳に宿る小さな炎を見て、リナは小さくため息をついた。
――もう、誰も逆らえないだろうなあ…。
「私は別に…構いませんけど」
 だいぶ不満そうな声だったが、それでもセーラは満足げに微笑んだ。
「セーラ、もういい加減あきらめた方が良いんじゃ…」
 その時、このままではセーラの思うままだと判断したエコが、おずおずと提案した。
 …しかし。
「エコ、貴方はあの詩の締めを知りたくないんですの?」
 そう問い返されて、一瞬ひるんだエコだったが。
「そういう訳じゃないよ。ただ、ザブレフまで巻き込むのはどうかと思う」
 いつになく大人なエコの意見を聞いて、セーラも少し落ち着きを取り戻したらしく、少し考える素振りを見せた。
 ザブレフが少し安心したように、ため息をつく。

 ……長い、沈黙。

「確かにそうですわね。わたくし、少しひとりよがりでしたわ」
 柔らかな口調のセーラに、あきらめてくれたかと一同が思った、その時。
「でもやっぱり、ザブレフさんには協力してもらいたいですわ」
 その琥珀色の瞳には相変わらず小さな炎。先程のような気迫はないが、有無を言わさない雰囲気はまだ残っている。
「フィンさんから聞き出してきなさい、とはもう言いません。でも、いずれ貴方の力が必要になる時が来ると思うんですの」
 なぜフィンがザブレフを推したのか。
 セーラは、そこに深い理由がるはずだと考えていた。
 それならば今から仲間に引き入れておくのも悪くない。
「無理なことはお願いしません。ですから…」
「…そこまで言われると…、仕方ない」
 しぶしぶ頷いたザブレフに、セーラは満足げに微笑んだ。

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