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「明日の手順は納得していただけたかしら?」
 意気揚々ときらきらと琥珀色の瞳を輝かせながらセーラが言った。
 彼らがいるのは、いつの間にか感謝祭の企てのたまり場になっているエコの部屋である。いつもの時間より早い集りである。収穫祭の前日は授業がすべて祭の準備で休講になっていた。
「はい! セーラ先輩、どうして私が見張り役なんですか?」
 セーラはにこやかに微笑む。
「それは貴方が適任者ですからですわ」
 セーラはリナに促がすようにエコとザブレフを目指した。
「私はセーラ先輩と開かずの間に行きたいです」
「リナ、考えてみてちょうだい。もし、エコが見張りに立った場合はどうなると思います? ザブレフさんだったら?」
 ちらっと、視線を二人の方へ泳がせながら、口篭もりつつリナが答えた。
「それは、私も心配ですが…でも…」
「わかっていただけて嬉しいですわ、リナ。貴方のことは信頼してますのよ、わたくし」
 異議を唱えることを許さない微笑を見せているセーラにリナは何も言えなくなってしまった。
 私はどうしてセーラ先輩に逆らえないのかしら?と溜息交じりに思うリナである。
「では、昼食に行きましょう!」
 扉に手をかけたセーラの後姿にエコが問いかけた。
「ちょっと、セーラ、気になってるんだけど…。当日は魔法が使えないよね。それで、どうやって見張り役のリナと連絡を取るんだい?」
「あら、そういう時は決まってるじゃありません?」
 セーラは首だけ回して動じた様子もなく続けて言う。
「以前使ったあれを使うのよ」
 椅子に座ったまま、エコは記憶を呼び起こすように眉根を寄せて難しい顔になった。
 嘘だろう? また、あれを使う…?! あの、糸電話もどきを――。
「ぼくの記憶が間違っていなければ、確か…あの時は糸が切れて…」
 前に糸が切れて、おかげで迷って散々な目に合ったエコである。
 予想どうりのエコの物言いに、セーラは得意げな表情を見せていた。
「今度は完璧ですわ。ルーセンの祖母に切れなくて絡まらなくて、そして、ある程度伸び縮みする特殊な糸を作ってもらいましたもの」
 そして、もう一つ…。
 お楽しみは当日に取っておかないと楽しみがなくなるわ。
 セーラは楽しげに部屋の扉を開けた。

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